徳洲会 呼吸器部会|呼吸器専門領域の臨床・研究を推進するため、情報の収集、解釈、そしてその浸透、並びに部会の情報交換と親交を促進します。

お知らせ

徳洲会呼吸器部会 呼吸器診療の質向上へ 札幌でセミナーを開催

2019.08.16

2019年(令和元年)8月12日 │ 徳洲新聞 No.1197 3面

徳洲会呼吸器部会
呼吸器診療の質向上へ
札幌でセミナーを開催

徳洲会呼吸器部会は6月22日、札幌東徳洲会病院で「札幌呼吸器セミナー2019」を開催した。若手医師を対象に参加型の講義や特別講演を通じ、呼吸器疾患の診療レベル向上を図るのが目的。同セミナーは2015年に湘南鎌倉総合病院(神奈川県)と湘南藤沢徳洲会病院(同)を中心に初開催して以降、不定期に企画してきたが、札幌での開催は初めて。今回は初期研修医ら22人が参加し研鑽(けんさん)を積んだ。

講師と参加者を含め30人以上が研鑽

講師と参加者を含め30人以上が研鑽

全体の司会を徳洲会呼吸器部会の代表世話人のひとり、湘南鎌倉病院の杉本栄康・呼吸器内科部長が担当。「呼吸器分野の魅力を伝えるために、全国の徳洲会病院の先生に集まっていただきました。この貴重な機会を生かし一緒に勉強していきましょう」と呼びかけた。

開会の挨拶では札幌東病院の太田智之院長が「札幌で初開催できたことを嬉しく思います。呼吸器は重要な疾患ばかりですので、しっかり学んでください」とメッセージ。

湘南藤沢病院の日比野真・呼吸器内科部長(同部会広報委員長)は「私たちは日々、診療能力をブラッシュアップし、目の前の患者さんに最善を届けたいと考えています。この思いを共にするために、本日は呼吸器の面白さや奥深さを伝え、少しでも興味をもってもらえたらと思います」と語りかけた。

「呼吸器分野の魅力を伝えたい」と杉本部長

「呼吸器分野の魅力を伝えたい」と杉本部長

セミナーは参加型ミニレクチャーを前後半に分け、その間に特別講演をはさんだプログラム構成で実施。休憩時には大隅鹿屋病院(鹿児島県)の田村幸大副院長(同部会教育研修委員長、徳洲会臨床研修委員会委員長)が、キャンサーボード(複数の診療科の医師や多職種が参加し、がん患者さんの最適な治療方針を決定する会議)や臨床研修病院の紹介も行った。

参加型ミニレクチャーは参加者が6チームに分かれ、ブースを回りながら講義を受けた。

田村副院長が「呼吸器疾患の身体所見」、千葉西総合病院の岩瀬彰彦・内科部長(同部会学術企画委員長)が「肺結核」、杉本部長が「気管支喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)」、日比野部長が「間質性肺炎」、八尾徳洲会総合病院(大阪府)の瓜生恭章・内科部長(同部会部会長)が「肺がん(化学療法)」、湘南鎌倉病院の深井隆太・呼吸器外科部長(同部会学際連携委員長)が「肺がん(手術療法)」をテーマにそれぞれ講義した。


三沢・主任部長は呼吸器内視鏡の可能性を講演

三沢・主任部長は呼吸器内視鏡の可能性を講演

特別講演では4月に入職した湘南鎌倉病院の三沢昌史・呼吸器内科主任部長が「肺がん治療につなげる呼吸器内視鏡」と題し講演。

①末梢(まっしょう)小型肺がんに対する気管支鏡下生検の適応と限界、②原発巣部位の同定が難しい肺がんに対する気管支鏡下マーキング法、③局所進行(ステージⅢ)の非小細胞肺がんへの集学的治療の文献的報告、④気道インターベンション(画像透視下でカテーテルを用いる治療法)、⑤光線力学的治療(PDT)――をテーマにそれぞれ解説し、呼吸器内視鏡を用いるさまざまな検査や治療の知識を共有した。

PDTとは、がんに多く集まる光感受性物質にレーザー光を照射して化学反応を起こし、局所的にがんを治療する方法。正常組織にはダメージを与えず、低いエネルギーで、がんだけを選択して治療することができる。実際の手技の方法を紹介したうえで、症例をもとにPDT前後の画像を示しながら説明。「今後、湘南鎌倉病院でも導入していけたら良いと考えています」と明かした。

参加型ミニレクチャー。左は瓜生部長

参加型ミニレクチャー。左は瓜生部長

総括として岩瀬部長が「学問は我々が一方的に伝えるものではなく、皆さんの反応や向上心があってこそ成り立ちます。今日学んだことは明日からの臨床につながりますので、ぜひ役立ててください」とアドバイス。深井部長は「早めに将来のビジョンを決めたいと考える方も多いと思いますが、狭い世界に収まることなく、いろいろなことを見たり聞いたりして興味を広げていただければと思います」と激励した。

最後に、札幌東病院の山﨑成夫・呼吸器内科部長が「呼吸器分野の将来を考えると、若い先生の力が必要です。ひとりでも呼吸器に興味を持っていただけたら嬉しく思います」と挨拶し閉会した。